ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

2021-01-01から1年間の記事一覧

映画『最初の人間』|カミュの自伝的映画

アルベール・カミュの自伝的小説であり、未完の遺作となった『最初の人間』の映画版。 年老いた母を訪ねて故郷であるアルジェリアを訪問した小説家コルムリ氏(カミュ)。幼少時代を思い返しながら、アルジェリアの地を歩く。アルジェリアは内戦状態が続く混…

映画『ワンドゥギ』|弱者が強く生きられる社会、そして「寛容」とは

いい映画だ。キム・ユンソク主演の割には、とても平和な映画。ほっこりとするホームドラマと言えようか。だが今は2021年10月。この映画を観た僕は、怒りに震えている。ウィシュマさんのことを思い、どうしようもない怒りに震えている。 弱者の扱いが酷いのは…

仕事のキャンセル、映画『暗数殺人』、歯医者予約

夕方納期の仕事の仕上げ。問題なく納品。その後ジョギングへ。 今週末から来週後半まで埋まるはずだった仕事の一部が急になくなってしまい、来週のスケジュールがあいてしまった。S社にもそのスケジュールとのブッキングで仕事を断っていたので、N社から追加…

中条省平『カミュ伝』(インターナショナル新書)

最近出版されたばかりのカミュの評伝。 著者は100分de名著で『ペスト』を紹介した中条省平氏で、最近光文社から『ペスト』の新訳も出している。 カミュの人生を時系列に追いながら、随所で主要作品の解説が入っている。もう少しボリュームが欲しかったが、新…

業務再開、妻の出張、第一訳のスピード感について

妻が昨日から出張。しばらく一人暮らしになりそう。 昨日から仕事は再開していて、今日の夕方までに、なんだかんだで来週末頃までスケジュールが埋まった。 今日はN社のE案件の仕上げ。夕方頃無事納品。 前回の関連案件で、個人的に少し攻めた訳文にしたもの…

中野孝次『すらすら読める徒然草』(講談社文庫)

先日読んだ『すらすら読める方丈記』に続いて、同じ著者による徒然草も読んでみた。 yushinlee.hatenablog.com こちらは全訳というわけではなく、ベストアルバムのような構成になっている。テーマごとに章立てられていて読みやすいが、著者本人も言っている…

酒井正士『邪馬台国は別府温泉だった!』(小学館新書)

「邪馬台国は別府温泉にあり」という面白い説を紹介する本書。著者はヤクルトの研究所で生命科学、生物工学分野の研究の経験を持つ酒井正士氏。古代史としてはアマチュアなのだが、邪馬台国研究者としては、いわゆる門外漢という経歴も珍しくないと思う。全…

寿司ランチと観葉植物パキラとシオラン対談集

九州に越してきてから、ずっと行ってみたかった寿司屋があった。ただ、普段は夜しか営業していなくて、口コミなどを見ると飲む客が多く、酒をあまり飲まない自分にとっては少しハードルが高くて行けていなかった。そんな中、先日その付近を歩いていると、「…

小倉日帰り旅:松本清張記念館、文学館、焼きうどん

今日は日帰りで小倉まで行ってきた。天神から高速バスで100分程度。新幹線なら博多駅から十数分という距離だが、意外とあまり行ったことなくて、今回2回目。前回は立ち寄って一泊しただけだったので、ちゃんと見て回るのは初めて。 到着後、早速ランチにサン…

昼から大東園で焼き肉

今日は昼に焼き肉を食べに出てきた。このあたりでは超がつくほどの有名・高級店。庶民価格のカルビ定食と、一番高い匠定食を2人で分けていただいた。年齢のせいだろうが、だんだん牛肉が疲れるようになってきた。焼き肉にしても、最近は豚肉の方が上等に感じ…

中華な休日

遅めの夏休み2日目。ゆっくり起きたら10時を過ぎていたので、急いで支度して街へ。今日の外食ランチは有名な広東料理屋さんで飲茶。おまかせの飲茶6品と、香港にありそうなワンタン麺。2200円とお高いランチだが、休暇なのでOK。 その後は少しだけ買い物をし…

バス停で危機一髪、サイン本など

今週は久しぶりに休みを取っている。今日はバスの一日乗車券を買って、町に出てきた。昼はおしゃれなレストランでロースビーフ丼。妻が注文したカルボナーラが美味しかった。 一度自宅に休憩に戻ってから、また夕食に出かけようとバス停に並んでいた。バスが…

中野孝次『すらすら読める方丈記』(講談社文庫)

Kindleで積んでいた方丈記。読んでみたら驚くほど面白い。資本主義型金儲けに嫌気がさしてきた現代には最適かもしれない。 前知識はまったくなく、学校で習ったはずなのに、随筆ということすら忘れていた。 読んでみると、当時の災害の様子を克明に記録した…

映画『無垢なる証人』:あなたは「いい人」ですか?

ある事件の目撃者となった自閉症の少女と、その容疑者を弁護する人権派弁護士の物語。自閉症という難しいテーマを取り上げながら、かなりリアルな表現に徹し、非常によくできた映画だと思った。ダークサイドへ足を踏み入れるべきか悩む弁護士の葛藤も描かれ…

斎藤幸平・編『未来への大分岐』第二部:マルクス・ガブリエル

第二部はマルクス・ガブリエル(MG)との対談。 第一章では「ポスト真実」を取り上げる。 哲学を使ってよりよい社会を作るのにどう貢献できるのか。MGはメディアでの露出も多く、個人的にはそれほど追っていなかったが、哲学者としてではなく、メディアに人…

久しぶりの帰省の予定

ここしばらくはI社のE案件にかかりっきり。ボリュームの割に負荷が高くて大変。今日やっとドラフト訳が完了。明日と週末にプラス1日くらいで仕上げる予定。 その後は久しぶりに1週間ほど休みを予定している。その後は妻がしばらく出張に行ってしまうので、そ…

ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『忘却についての一般論』

人間とはどんな場合でも一人だけでは生きていけない。 ここに他者との関係を完全に断ち切った一人の女性がいた。自分が住むマンションの入り口にセメントの壁を作り、その後30年もその空間だけで自給自足の生活を送った。部屋の外では内戦が続くアンゴラとい…

映画『フード・インク』

アメリカの食品業界の闇を暴いた2008年の映画。ドキュメンタリーとしては少し古い映画だが、まだまだ学ぶところはあった。 安く、大量の食品を生み出すことの弊害、遺伝子組み換え食品、巨大資本の管理下に置かれた農業など、アメリカ食品業界の闇を暴き出し…

早朝から仕事、そして醤油ラーメン

今日は7時過ぎには起きて、いつもよりも早い8時から仕事を始めた。 今日納品分は昨晩ほぼ終わっているので、最後のファイルの準備と、週明け納品分の作業を行う。全部は終わらず、明日数時間分だけ仕事を残して、今日は閉店。 今晩の夕食は一人だったので、…

高木 彬光『白昼の死角』(光文社文庫)

戦後間もない混乱した日本を舞台とする推理小説。より具体的には金融推理小説、あるいは経済推理小説なのだろうか。戦後という貧しい日本だが、逆に言えばそこには大きなチャンスがあった。当然、本作で繰り広げられる詐欺に手を染める悪党どもにもうってつ…

映画『青い塩』

ソン・ガンホが主演ということで、間違いないかと思ったが、エンディングがかなり残念だった。 とはいえ、中盤までは割とよくできていた。元カリスマヤクザというありがちな設定に、訳ありの少女という、また映画では違う意味でありがちな設定ではあるが、こ…

本屋巡りと鹿児島とんかつ

今日は久しぶりに手持ちの仕事がない状態で迎えた平日。 午前中はまったり本を読み、昼前にジョギングへ。 久しぶりにシンガポールの友人からLineが入る。日本語サイトの使い方を教え、子供の写真を見せてもらい、仕事の紹介を受けた。仕事は今ある分で手一…

映画『ガルヴェストン』:人生はやり直せるのか

アメリカ映画の絶妙な雰囲気作り。モーテルのあの寂れた感じ、危険な感じ。 こういう映画は本当にアメリカはうまいと思う。キャストはどちらかというと地味な方だが、有名人が邪魔にならず映画に没頭できる。まあ映画作りのジレンマなのだろう。 テーマは人…

映画『毒戦 BELIEVER』

韓国ノアール映画『毒戦 BELIEVER』。 主演チョ・ジヌンはドラマ『シグナル』で知った俳優だが、シリアスな演技もでき、コメディライクな雰囲気作りもうまく、本作でもいい演技だった思う。特に捜査とはいえ○○を○○してしまうシーンなんか素晴らしい。 それに…

久しぶりの外出で二郎系ラーメンとかき氷とジュンク堂

今日は久しぶりに外出。前回は妻の免許更新に付き合う形で出たくらい。ワクチン接種2回目から10日以上は過ぎているから、安心して外に出ることができるのはうれしい。 昼には最近オープンしたらしい二郎系ラーメンを出す店。一押しはつけ麺、次に混ぜそばを…

福岡市に台風が上陸した金曜日

70年ぶりくらいに福岡に台風が上陸。 たしかにこの経路で、西から長崎を避けて台風がやってくるのは相当珍しい。 とはいっても、風が強かったのは夕方頃から夕食時間にかけての数時間くらいで、あまり強い台風ではなかったようだ。いずれにしても、福岡市と…

ワクチン明けの初ジョギング

今日は取引先の営業活動に付き合うというか、新規顧客の試訳の仕事。提示額でそのまま受けたが、2倍以上の負荷だったので、次回以降はちゃんと考えて仕事を受けるべき。勉強になったと自分を納得させるのみ。 その後はいつもの極小案件に続き、来週納期の中…

斎藤幸平・編『未来への大分岐』第一部:マイケル・ハート

斎藤幸平との対談形式でまとめられた『未来への大分岐』(集英社新書)。 第一部はマイケル・ハートとの対談。初めて聞く名前だったが、話を聞いてみると編者の斎藤幸平と非常に親和性が高いというか、インスピレーション元にもなっているのではないかと勘ぐ…

映画『力道山』と髷姿がかわいいソル・ギョング

日韓共同製作の本作。主演は韓国の名優ソル・ギョング。個人的には『ペパーミント・キャンディー』で好きになった俳優。『シルミド』にも出ている。ソル・ギョングは少し癖のある俳優で、合うときは合うが、合わないときは合わないという印象なのだが、本作…

ヘッドフォン購入、映画『裏切りのサーカス』など

今日も休日の予定だったが、明日納品予定の仕事を少しでも削るべく、3時間ほど仕事。 パソコンでの映画やゲームに使うヘッドフォンをしばらく調べていたが、やっと決めることができた。せっかくだから少しいいのをと思っていたが、携帯で音楽聴いたりすると…