映画『フード・インク』
アメリカの食品業界の闇を暴いた2008年の映画。ドキュメンタリーとしては少し古い映画だが、まだまだ学ぶところはあった。
安く、大量の食品を生み出すことの弊害、遺伝子組み換え食品、巨大資本の管理下に置かれた農業など、アメリカ食品業界の闇を暴き出している。ラウンドアップという農薬の問題については、昨年くらいに岩波『世界』で読んだ記憶があり、「ああこれか」という膝を打ちながらも、自分の中ではすっかりと忘れていたことに驚いた。これこそが問題ではないか。直面したくない「不都合な」問題に出くわすと、私たちはつい目をそらしてしまう。知らなければ自分の生活を変えなくて済むのではと思ってしまうのだろう。
ただ、少しは記憶に残っていたのか、そういえばこんな本を最近買っていた。
ラウンドアップについては、世界的に利用をやめようという動きのようだが、日本では逆のようで、むしろ奨励されているようにも見える。食品については地産地消が当然よいとしても、ただ国産だから安心ということには必ずしも言えなさそうなのが悲しい。農薬の問題については日本ではあまり一般的にはなされていないように思うが、原発関連の風評被害のトラウマも大きいのかもしれない。しかし食というのは生活の根底にあるもの。普段の生活でも、政治の世界でも、もっと話題にされてほしいと強く思う。
食品業界の問題にしても、気候変動の問題にしても、やはり根底には資本主義があり、これを今後どうしていくのかが鍵になるようだ。まだまだ勉強が足りない。