ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

男はつらいよ

『みんなの寅さん from 1969』佐藤利明|「男はつらいよ」2周目完走

コロナ禍に入ってから見始めた「男はつらいよ」シリーズ。すっかりファンになってしまい、先日とうとう2周目を完走。自分のことながら、合計50作もある映画をこの短期間で2周も見てしまうんだから、少しあきれつつも、3周目はいつ始めようかと、まだまだまっ…

『『男はつらいよ』の幸福論』名越 康文

またまた飽きもせず、寅さんネタの本。 今回は精神科医による著作ということで、若干異色。名場面を振り返りながら、精神科医が車寅次郎やほかの登場人物の深層心理を探る。 寅さんはなぜあそこまで女性に対して及び腰なのか。彼は草食男子の走りだったのか…

『最後の付き人が見た 渥美清 最後の日々 「寅さん」一四年間の真実』篠原靖治

渥美清の最後の付き人が語る渥美清の思い出話。渥美清が亡くなるまで14年の間付き人を務めたそうだ。特に晩年の渥美清の姿が印象的。 付き人といっても基本的には『男はつらいよ』の撮影現場が中心だったようだ。渥美清との関係性は兄貴と弟分、『男はつらい…

【関東旅】東京は葛飾の柴又よ

『男はつらいよ』巡礼の旅、というわけでもないが、しばらく東京に行く用事があったので、いつか行ってみようと思っていた葛飾区柴又に行ってきた。 柴又というと映画でもよく映される柴又駅なのだが、よく考えると寅さんはいつも江戸川を歩いて家に向かって…

倍賞千恵子『お兄ちゃん』

『男はつらいよ』シリーズでさくらを演じた倍賞千恵子が、渥美清との思い出を中心に語る。渥美清とはどういう人だったのか。倍賞さんからすると、寅さんが演じる愚兄とは真逆で、いつも自分の幸せを気にかけてくれる、面白い話を聞かせてくれる、相談にもち…

山田洋次のロードムービー『家族』|「古き良き」日本の姿と、そこで前を向いて一生懸命生きる人々

長崎の伊王島に住む一家族。島での暮らしを捨て、北海道の開拓村での新しい生活を目指す。「古き良き」日本をじっくりと堪能できるロードムービー。期待、失望、混乱、喪失、疲労、怒り。和解の後に再び訪れる喪失。しかし冬も永遠には続かない。春が訪れ、…

小林信彦『おかしな男 渥美清』|神格化されていない渥美清評伝

評論家小林信彦が渥美清の思い出をまとめた「評伝」。神格化されている渥美清を冷静に語り、ときには非常に厳しい。それゆえ信頼が置ける。 渥美清との距離感としては、何でも打ち明けられる友人ではないが、顔を見ればゆっくり話したくなる、気に入っている…