映画『毒戦 BELIEVER』
韓国ノアール映画『毒戦 BELIEVER』。
主演チョ・ジヌンはドラマ『シグナル』で知った俳優だが、シリアスな演技もでき、コメディライクな雰囲気作りもうまく、本作でもいい演技だった思う。特に捜査とはいえ○○を○○してしまうシーンなんか素晴らしい。
それに比べると、リュ・ジュンヨルがもう少しだった気もした。若く、期待の若手ということなのだろう。最近では『タクシー運転手』などでも好演していたが、今回はもう少しだったという印象。監督の方針だったのかもしれないが。
とはいえ、脇を固める俳優が素晴らしく、全体的にはかなりできのよいノアール映画に仕上がっている。
何よりも、本作が遺作となったキム・ジョヒョク。狂気とも言える演技は圧巻。個人的には韓国バラエティの『1泊2日』ではじめて知った俳優で、普段の姿はシャイな常識人という印象だったが、彼が映画に出ると印象ががらりと変わる。本作はそれが見事に現れいている。まだ若かったのに残念でたまらない。
ほかにも、韓国バラエティの『三食ごはん』でも人気のチャ・スンウォンも、ここでも癖のある役をうまく演じていたと思う。彼が主演した『ハイヒールの男』は傑作だった。
基本的にはシリアスな映画なのだが、聾唖の登場人物がじゃれ合うシーンや、手話通訳の方の凄すぎるスキルなど、ああいうのを絶妙に入れてくるのは素敵。