ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

映画『青い塩』

ソン・ガンホが主演ということで、間違いないかと思ったが、エンディングがかなり残念だった。

とはいえ、中盤までは割とよくできていた。元カリスマヤクザというありがちな設定に、訳ありの少女という、また映画では違う意味でありがちな設定ではあるが、この年の差の交流というのが比較的うまくできていた。アクションシーンなどもあるが、あくまでカモフラージュで、監督はロマンス系ドラマを作りたかったのだろう。

メインとテーマはこのシーンに現れている。というか、このセリフが撮りたいがための映画とすら思えた。

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恋愛映画などほぼ観ないのでわからないのでが、恐らく一般的には王道のボーイミーツガール型を中心とする、その派生型が主だろう。最近はLGBTテーマのものもあるのかもしれない。ただ、本作では、年齢差もあって、親子的な関係なのか恋愛対象なのか、その辺の曖昧さを捉えようとしてた。だからこそ、このセリフはいいなぁと観ていた。

しかし、エンディングだ。最終的には好みなのだろう。グッドエンディングが好きな人がいれば、バッドエンディングが好きな人もいる。ただ、自分で勝手に感動していた、この曖昧なラインの「愛」という素晴らしいテーマが、あまりにも安っぽい形で裏切られた。エンディングにつながる塩田のシーンも美しかったことから、その後の落差に愕然とさせられた。いやはや、残念しかない。

それを考えると、先日観た『ガルヴェストン』こそいい映画だと思う。あの2人の関係性にこそ、このソン・ガンホのセリフが活きてくると思うのだが。

yushinlee.hatenablog.com