ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

映画『力道山』と髷姿がかわいいソル・ギョング

日韓共同製作の本作。主演は韓国の名優ソル・ギョング。個人的には『ペパーミント・キャンディー』で好きになった俳優。『シルミド』にも出ている。ソル・ギョングは少し癖のある俳優で、合うときは合うが、合わないときは合わないという印象なのだが、本作での力道山の演技はなかなかだったと思う。体は大きい方ではなかったと記憶しているが、本作で体格をあそこまで寄せてきたのはさすがだ。また、相撲時代の髷姿も妙に似合っていて、仮に明治維新が舞台なら、坂本龍馬もいけそうな気がした。

日本側からは中谷美紀萩原聖人藤竜也が出ている。藤竜也が素晴らしく、主演を喰っていたと思う。またちょい役で今は政治家をやっている方も出ていたのは驚いた。また、プロレス界からも武藤や橋本が出演していて、演技も(上から目線で申し訳ないが)悪くなかった。

日韓共同とはいえ、舞台は全編を通して日本。力道山は日本でしか活動していなかったので当然ではあるが、フィクションでもいいから幼少時代など描写があってもよかったかなと思う。

そういえば、力道山朝鮮半島出身だと知ったのは大人になってからだったと思う。そもそもプロレスにもそれほど興味はなかったこともあるが、ただ戦後日本を元気づけたという印象があって、自然と日本生まれだと思っていた。本人の生前は出自を隠していたようだ。

少しがっかりしたのが、猪木や馬場が出てこなかったこと。それとも、練習風景でそれらしい人物がいたのだろうか。現在からの目線では、馬場・猪木が弟子だったというイメージが強いので、当時の力道山にとっては重要度が高くなかったとしても、フィクションという意味では描写があってもよかったのに。あるいは、猪木のカメオ出演とかも考えたのだろうか。まあ、さすがに見た目的にも存在感がありすぎるので、邪魔になるかもしれないが。その点、武藤や橋本が出ていることから、プロレス界からもある程度の理解が得られた作品と考えることはできそうだ。

あと、木村政彦が別の名前になっていたのがよくわからなかった。権利がらみの理由なのだろうか。ただ、今見ると、ほかの実在の人物名も変えてあるようなので、フィクション性を示すという意味合いがあるのだろう。

そういえば『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』なんていう本もずっと気になっていたので、そろそろ読んでみようか。

それにしても、なんだか最近はほぼ毎日映画を見ている気がするなぁ。明日は何を見よう。