EPOMAKER GALAXY 100のVIA設定
EPOMAKER GALAXY 100のキーマップ関連の設定が一旦落ち着いたので、メモに残しておく。
マニュアルにはVIAアプリのインストールについて記載があったが、ブラウザーからアクセス可能なのでインストールは不要だった。ただしUSBドングル経由ではうまく認識しないので、設定中には有線接続が必須。またGalaxy 100の場合は、購入した時期によってVIAのJSONファイルが現在2種類あって、自分の場合は2026年2月に購入したので、以下の2025年10月以降バージョンのをダウンロードした(最初は古い方をダウンロードしてしまい動かなかった)。
現在のキーマップ
- 左AltをMT(MOD_LALT,KC_HANJ)に変更(KEYMAP→SPECIAL→Any)
- 右AltをMT(MOD_RALT,KC_HAEN)に変更(KEYMAP→SPECIAL→Any)
- CAPSを左Ctrlに変更
- Del、Print、Insを以下の通り入れ替え(物理的にもキーキャップを変更)
- HomeをMYCM(マイコンピュータを開く)に変更
- EndをCalc(電卓を開く)に変更

何よりも重要なのが日本語と英語入力の切り替えだけど、これはスペースバー左右のAltキーに割り当てている。これで左右のAltキーを押すだけでIME切り替えができ、長押しした際のAlt機能はそのまま残せる。この辺の設定は以下のブログが大変参考になった。Macbook Airでも似たような設定にしており、慣れているのですぐに使えるだろうとは思ったけど、Altの距離が思ったより遠く、親指をかなり曲げないとスペースバーを押してしまうので、まだちょっと押しにくいのが難点。もう少し使って慣れるかどうか。難しそうならCAPS(今はCtrlに変更中)を使って切り替える形にしてもいいかもしれない。
若干イレギュラーなのは、個人的には使わないHOMEとENDの活用。とりあえず使えそうなマイコンピュータと電卓を開くボタンに変更してみた。物理的なキーキャップはそのままだが、マイコンピュータはパソコン内のHomeっぽいし、自分の使い方ではある仕事の終わり(End)に電卓を開くことがあるのでちょっと覚えやすい。
ちなみに、左上で選択できるLayerというのでFNキーを押したときの挙動を変えられる。0と2がWindowsモードのとき、1と3がMacモードのときになるようだ。つまり普段使うWindowsではWinモードにし、Layer0が通常のキーマップ、FNを押したままにしたときのキーマップをLayer2で設定できる。
デフォルトでのLayer 2は以下のようになっていて、先日サポートに教えてもらったスリープ時間の切り替え(FN+Y)はKbPrSlpになっていて、下のCUSTOM領域では「Keyboard primary sleep」という簡単な説明を確認できる。サポートに聞くまでもなく、VIAに詳しい人だったら、このあたりから設定可能な内容を読み取ることもできたということ(具体的なスリープ時間などは記載がないのでやはりマニュアル記載を求めたい)。ちなみに、もう1つ「Keyboard secondary sleep」というのもあるが、これが何をするのかは不明。

あとは、右上のInsをどうするか。誤って押してしまう場所ではないのでそのままでもいいかなと思いつつ(まれにキーボードショートカットで使うこともあるし)、もし活用方法が思いつけば変えちゃってもいいかも。
EPOMAKER GALAXY 100ですぐスリープに入ってしまう件
EPOMAKER GALAXY 100は打鍵感・音もよく、カスタマイズ性など、ハードウェアとしては非常に優れているのだが、購入直後は無線接続に問題があり、しばらく有線で使っていた。問題というのは、数分キーボードに触れていないとスリープ状態になってしまうのか、打ち始めた時に最初の1文字が抜け落ちてしまうという点。同様の不満点は海外のブログでもあがっていたので、Epomakerではよくある問題なのかもしれない。
とはいえ、できれば無線でも快適に使いたいので、解決できるかどうかは別としてサポートに連絡してみた。
まずは日本語でサポート窓口にメールしてみたのだが、返信は速くて数時間以内に返信があった。ただしサポート対応は英語のみのようで、それ以降は英語でのやり取りに。その後に問題内容の確認、注文番号の確認等で少しやり取りした後、「プロダクトチームに相談して折り返し連絡するわ」と。初動が早かったし安心していたのだが、それから2週間ほど放置。2週間後に「その後どうなったの」と催促すると、翌日解決方法が届いた(どうやら忘れられていた模様)。
ラッキーなことにソフトウェア上の設定の問題だったようだ。スリープに入る時間を設定できるコマンドがあるのだが、これがなぜか説明書に書かれていない。スリープ時間の設定は普通の使い方でも変更したいだろうから、これくらいは説明書に残しておいてもらいたい。
EPOMAKER GALAXY 100でのスリープ時間の変更方法
FN+Yを3秒間長押し(以下の順で切り替わる)
- 赤で3回点滅:1分
- 緑で3回点滅:3分
- 青で3回点滅:10分
- 白で3回点滅:30分
点滅するのは長押しするYのキー。色弱の自分には色が少しわかりにくいので暗くして確認し、白の30分のモードにしておいた。これで多少ちょっと考え事をしていても、最初の文字が抜けることもなくなった。とはいえ、長めに離席をするとまた最初の文字が抜け落ちてしまう。スリープモードをオフにする設定については今問い合わせ中。それが無理なら、結局そのうち有線モードで使うことになりそう。
EPOMAKER GALAXY 100を購入した
先日新しいキーボードとしてEpomaker galaxy 100というメカニカルキーボードを買った。素晴らしい打鍵感、コトコトと耳に心地よい打鍵音、そしてなんとテンキー付きという仕事にも最適というやつである。そしてお値段も比較的お手頃。
メカニカルキーボードを買おうと検討を始めてから、ヨドバシなど大型店舗で実機をいろいろと打って試してみた。実際に触れたものの中で気に入ったのは、雨音のような打鍵音で有名らしいWOBKEY、あとはそれと同等の打ち心地ながらもコストパフォーマンスがよいSmackApe。有名なREALFORCEはあまり自分的にはしっくりこなかった。使い始めたらこちらのほうがよい可能性はあるが、今自分の身体が求めているものはあくまでコトコト系のメカニカルキーボードだったようだ。そういえば意外とElecomのメカニカルキーボードがよかったなと覚えている。とはいえ、WOBKEYとSmackApeはテンキー付きがない、Elecomはテンキー付きもあるが日本語配列のみということで、決定打にかけていた。WOBKEYはちょっと高いから、お安めのSmackApeにしてテンキーだけ単体で買おうかなと思っていたとき、だったらテンキーもメカニカルで合わせたほうがよいかと調べてみたら、こんなのを見つけた。
LogicoolのCraftにあるようなジョグコントロールもあって、なかなか便利そうだ。ただ単体で7000円超えということで、もう少し足せば安めのメカニカルキーボードも買えてしまいそうな値段だなと。いずれにしても、これを買うなら同じメーカーのメカニカルキーボードと合わせたほうがいいんじゃないかと調べてみて見つけたのが、今回購入したGalaxy 100である。
実機を触ることはできなかったけど、Youtubeで見る限り打鍵感も打鍵音もかなりよさそうで、英語配列があり、テンキー付きで、さらに色も攻めすぎず抑えすぎずの好みの配色だった。ついでにジョグコントロールもあって音量調整などもできる。そのくらいなんだ、と言われそうだが、意外とハードウェアで音量コントロールできるのは便利なのだ。ちょうどセールしていたので、勢いで注文してしまった。

選択したのはWisteria Linear SwitchのCreamy Whiteというカラー。スイッチは1000円ほど高いのを選んだ。調べたところそれほど大きく変わらないような印象だったが、Wisteriaのほうが少し重く、誤入力を避けたいのでこちらにした。買ってみると打鍵感はいいのだけど、少し疲れるかなという印象なので、Marble Whiteでもよかったかもしれない。メカニカルキーボードなのでスイッチはあとで丸ごと交換可能だから、そのうち静音スイッチなども試してみたい。
『A』森達也
オウム真理教とは何なのか。あらゆるフィルターを取り除き、その実態をそのまま「生」の状態で捕らえようとしたドキュメンタリー映画『A』の副読本、いや解説本といった内容。実際のドキュメンタリー映画も並行して視聴しながらあっという間に読み終えた。
まず映画の方だが、これはすごい。何の味付けもない、撮影した映像に時間と場所程度の情報だけをのせて編集したもの。ナレーションもない。何の補足説明もない。肝となるシーンにバックグラウンドの音楽が2回ほどかけられているだけ。正直この映画だけでは何を見ているのか分からなかったかもしれない。この極限まで生のままで残した映像には、森達也監督のこだわりが当然あらわれている。オウム真理教とは、その信者とはどのような人々なのか、そしてなぜこの宗教団体があのような恐ろしいことを行えたのか、その理由を探るため、オウム側はもちろん、警察、メディア、そして世間のどれにも寄らない、あらゆるフィルターを排除した。その結果として、これしかなかったのだろう。
映画だけでは何が起こっているのかわからないため、そこで本書が格好の解説本となっている。取材の背景から、背景解説、映画には収まりきらなかったほかの信者たちの姿、さらに「主人公」となったオウム真理教広報副部長の荒木浩氏とのやり取りから、森達也氏の葛藤、ほかのメディアの「態度」、映画製作の難しさ、そして人間として生きることの矛盾。
それにしても、荒木浩氏というのは非常に面白い人だ。森達也氏が述べているとおり、信者としての確信を強く持ちながらも、広報副部長として世間に向き合いながらどこか葛藤を続けている。そして本書を読めば見えてくる、世間側の思考停止。オウム真理教を知ろうとして見えてきたのは、日本社会が抱える大きな闇だったというのは、ありがちではあるが、それでもやはり衝撃的で、かなり落ち込む。しかし、森達也氏はどこまでも前向きだ。あとがきにあるとおり、彼は人間の善意を何とか信じようとしている。
「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」
結局は外したけれど「A2」のサブタイトル候補だったこのフレーズは「A」の撮影中の頃からずっと意識の隅で、基調低音のように響いていた。こうなれば持久戦だ。甘いと嘲笑され、楽観主義と批判されるが、でも僕は今も、世界の復元力を信じている。たぶん、その確信があるからこそ、僕は作品を作り続けられるのだと思う。
僕にはまだその確信はない。
コロナ療養記(Day -1~Day 9)
コロナウイルスにとうとう捕まってしまった。それも夫婦そろって。覚えているうちに経緯を残しておく。
Day -2
妻が風邪の症状で早退。普段なら風邪だろうと寝かせておけばいいのだが、念のためにと抗原検査キットを買って試してみると、本当に薄くだが陽性の部分にラインが。ほかの人に迷惑になるかもしれないということで発熱外来へ連れて行った。この段階でどうも症状が重そうだったので、とうとう・・・という気はしていた。行ったのは近所にできていた内科。コロナ以降に開院したようで発熱患者向けにしっかりと隔離されていた。院内も新しく、予約もウェブから可能になっていて便利だった。ただし、最初から「マイナンバーカードは?」と言われて驚いた。知らないうちにもうマイナンバーカードがデフォルトになっていたようだ。症状が出てから間もないため、抗原検査には少し早いようなので、PCRをすすめられた。追加1000円でインフルエンザ検査もつけることができたので、せっかくなのでとフルパッケージに。インフルは陰性だったが、PCRの結果は翌日まだ分からないということで、薬だけもらって帰った。薬は解熱剤のロキソプロフェン、炎症を抑えるトラネキサム酸、それからうがい薬。のど飴も提案されたそうだが、龍角散がありますと断ったとか。これを後で少し後悔していた。
Day -1
妻にPCR陽性の連絡。電話口で妻は「やっぱりそうですよね」と笑っていた。思えばまだその余裕があった。この日は看病。買い出しに出かけ、料理をして、夕方頃まではゆったり休んでいた。しかし夕方頃、ほんの少しだけだが喉に違和感があるような気がして、もらってしまった可能性を考え、数日後納品予定だったファイルの作業に入った。結局完了まで深夜3時頃までかかったが、これが正解だった。
Day 0
午前中に37度の発熱。考えてみれば、妻が発症する前から一緒の寝室で寝ていたわけだから、もらっていないはずがなかった。今年初め頃は妻が仕事先でインフルをもらってきて、帰宅直後から隔離していて、そのときはもらうことなく妻が完治したので、今回もちゃんと隔離すればよいだろうと思い込んでいた。そもそもまったく状況が違ったのに。
37度とはいえまだ体は全然動くし、では今のうちにと、近所の薬局でイソジン、龍角散、解熱剤、ゼリー系食料などを購入。ダブルマスクを着用し、いつも以上に念入りに手指の消毒。
この後、あまりはっきりと覚えていないが、この日の段階で38度くらいまでいったと思う。ただし喉の違和感はなくなっていた。
Day 1
発症日翌日。解熱剤のおかげで熱も下がり、その他には主に違和感もなく、昼には少しゲームすらした。食事はご飯、サラダ、鰯の缶詰。
Day 2
朝から喉の痛みが始まった。実は喉の痛みがないと、ひょっとするとそれが後遺症という名前に化けるのではないかと心配していたので、少し安心した。熱もここから38度以上が基本となる。喉は痛いのだが、このときはまだ食べるくらいは普通にできていたので、たしかレトルトカレーを食べた。
Day 3
終日、喉の痛みと高熱にうなされる。喉の痛みが正直想像以上でつらい。食欲はそれほど落ちていないのもつらく、食べれないのにおなかがすいておなかが痛くなった。食事はおかゆ、豆腐、きゅうりなど。
Day 4
午前起床時も前日とあまり変わらず。ただ解熱剤が効いているのか、それとも快方に向かっているのか、熱も37度前後に落ち着いていた。午後には喉の痛みが少し治まったような気がして、寝てばかりでは腰がいたくなるので、自宅オフィスでパソコンみたり、ゲームしたり。食事はおかゆなど。この日は総合風邪薬のルルを2回飲んだ。
Day 5
午前中は喉の状況は前日と変わらず。まだ少しかかるようだ。熱は解熱剤なしで平熱。午後はさらに喉の痛みが治まってきて、さほど苦労なく食事を食べられるようになったが、ここにきて味覚・嗅覚障害が発生。たぶん前日からだった(あるいは発症直後からだったかもしれない)ような気もするが、この日には明らかに酷くなった。塩味がまったくわからず、納豆が無臭になり、たまにふわっと謎の異臭を感じる。喉の奥からくる異臭で、何か腐ったようなにおい。ひょっとすると喉にできていた炎症部分が剥がれた、または老朽化のような状態になり匂いを放っているのだろうか。納豆ご飯は「ふわっとした何か」にしか感じることができなかったが、その納豆の匂いなのか。不思議なのが、塩水で鼻うがいすると、鼻の方で塩味を感じる。終日薬は飲まず。
Day 6
喉の痛みはおおまか取れたが、若干の違和感は残っている。味覚障害は昨日と同じか、若干ながら改善。嗅覚障害は昨日から若干改善。今日分かったのは胡麻油の匂いはわかって、はじめて心地のよい香り(香ばしい香り)を感じることができた。
Day 7以降
基本的には「治った」といえるかもしれないが、今現在(Day 9)も味覚障害と嗅覚障害が続いている。また、倦怠感とはまた違うが、全体的になんだか疲れている。食欲も少し落ちたままの状態が続いている。一般的な病み上がりというやつかもしれない。普通の風邪なら、ある日に朝起きたら気分がよくなっていて、「治った!」とすぐに日常生活に戻れるのだが、今回はなんだかそれがない。治る直前くらいの体調がずっとだらだら続いているような。味覚障害と嗅覚障害についても1~2習慣で治るケースがほとんどという話もあるので、もう少し様子を見てみようと思う。
『ゲーデル、エッシャー、バッハ』のダグラス・ホフスタッターが語る人工知能の脅威とChatGPT
『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の著者ダグラス・ホフスタッターの最近のインタビュー映像がSNSで流れていた。正直まだご存命だと知らなかった。コンピュータサイエンスを学ぶ生徒としてホフスタッターのGEBは知っていて、大学院に戻ろうと考えていた頃にAmazonから原著を購入していた。なんどかページをめくろうとするもの、あまりの存在感、重厚感、ボリュームに圧倒され、結局積まれたままに。先日古本屋で日本語訳を見かけて、訳書なら今からでも挑戦できるかもと思っていたところ。
短いインタビューだが、注目はChatGPTをはじめとする最近のAIの進化の速度に対する驚きと、”Soon”訪れるであろう人類が主役の座を明け渡す日を恐れていると語る後半。こうした変化が何百年もかけてゆっくり起こるなら受け入れられるだろうが、それが数年で起きてしまう可能性があるということ、それが信じられない速度で襲ってくる津波のようで恐ろしいと。ゴキブリが人類を見てまったく理解できないのと同じように、いずれ到来するスーパーインテリジェンスを我々が理解することは到底できない。「それは面白い例えですね」と笑う質問者に「面白いんじゃない。恐ろしいことだ。実質一日中このことを考えているし、酷く落ち込んでいる」と真顔で返していたのが印象的だった。
一方方向だけのトランスフォーマーの仕組みから、これだけの「思考」が生まれるとは思わなかったとも驚いていた。自分がナイーブだったと。人間の思考は思っていたほど複雑でも、ミステリアスでもないのかもしれないと。人間は覚えも悪いし、すぐ混乱するし、矛盾することだって日常茶飯事だ。これは人間の思考が「その程度」である証拠かもしれないと。
今のAIの進化を他の事象を例えると何だろうかという質問に「火災」と即答していた。ではどうすればよいのでしょうかという質問には「わからない。もう山火事になっているような気がする。もう後戻りできないのでは」と。
マストドンとか人工知能とか世界の滅亡とか最近のこと
しばらくほったらかしにしてしまったはてな日記。
今年に入ってからマストドンを始め、そこである程度発散できてしまうことで、すっかりブログを忘れてしまっていた。別に誰が読んでいるわけではないからいいんだけども、でもこんな自分でもわりといろいろと考えることはあって、それが日に日に流れて言ってしまっているのはなんだか残念ではある。まあ、そんなことはマストドンで発散していた。
しかし、chatGPTに「出会って」からのここ数か月、忘れかけていたコンピューターサイエンス脳が活性化されたのか、単にAIの進化が恐ろしいほど速いからなのか、最近はAI・人工知能と未来の社会のことをよく考えている。
最初はchatGPTなんか触りたくなかった。最初に使い始めたのは妻で、それを横目にあんまり触るまいと、なぜか自制していた記憶がある。とはいえ、やはり好奇心には勝てないのか、何がきっかけだったのかわからないが、なんとなく使ってみたら、とにかく衝撃的だった。すぐに自分の仕事がなくなるかもしれないという恐怖心に襲われた。
思えば、機械翻訳については懐疑的だった。ここ数年どころか、十数年は人間翻訳に勝てるはずがないと、傲慢にも安心しきっていた。いままでの機械翻訳とchatGPTは何が違うのか。翻訳の性能についてはそれほど大きな改善はないように思う(そもそもchatGPTは翻訳に最適化された技術ではない)。なぜ仕事の心配が頭に浮かんだのか、恐らくコンテキストをしっかりと理解しているように見えたから。さらに言うと、自分が「専門」にしているコンピューター技術の背景知識を自分以上に持っているように見えたから。思えば、社会に出てから今までの仕事を振り返ると、自分は2つのスキルをベースに食べてきた。英語とコンピューター技術。底に出てきたのが生成AI。トランスフォーマー、ディープラーニング、RLHF。数か月前までまったく知らなかった技術や仕組みによって、テキストにすこぶる強い、それもかなり広範な知識を備えているように見えるAIが登場した。翻訳に最適化されていないとはいえ、今の段階でも言語能力は相当高い(翻訳に最適化された「transGPT」が生まれる頃には手も足も出ないかもしれない)だけでなく、自分よりも専門知識が高い。聞き慣れない英語表現や業界用語もchatGPTに質問すると、かなり正確に教えてくれる。自分が誇っていた専門知識、スキルが、一夜にしてどこかに消えてしまったかのように。
それからchatGPTと最近のAIのことを学び始め、いわゆるアライメント問題、安全性の問題、AGI(汎用人工知能)、ASI(超絶人工知能)到来の可能性、そして人類滅亡レベルの脅威を知った。
思えば、20代の頃は、日本の企業で働きながら、いつかアメリカの大学院に進学して人工知能の専門分野に進もうと計画していた時期があった。カーツワイルの本を読み、ジェフホーキンスの本を読み、AIのニュースを追って、いつかは学問の世界へ、と夢見ていた。結局その後も、いわゆる人生ってやつが起こって、結婚して、転職して、無職になって、世界旅行に行って、フリーで独立して、そして今に至る。
振り返ってみれば、コンピューターサイエンティストとしては落第したわけで、でもコンピューターや人工知能への探究心はまだ若干ながら残っていて、でもそんな中、今回の生成AIの登場で、自分の中のコンピューターサイエンティストの火がまた灯ったのだろう。
別にそんなロマンティックなものでもない。下手すれば人類滅亡レベルの危機だ。その前にも恐らく世の中が大きく混乱するだろう。すでにAIの「Arms race」は始まってしまっており、走り出した世界は止まるようにみえない。
マストドンでもたまにAIの話をしてみるのだが、これがまた誰も反応してくれない。別に反応が欲しいわけではないんだけど、なんだか一人で場違いな騒ぎ方をしているようで、みっともなく思えてきた(恐らく世界のAI研究者やテクノロジー信者が似たような気持ちを抱いていると思う)。でもこれだけ毎日心配して、考えて、また心配しているのだから、自分の考えや、見たり読んだりしたことをどこかに残しておかないとと思えて、そこで思い出したのがこの日記サイトだった。ここなら誰かに読まれていることをあまり気にせずに残せるだろう。そもそも、このサイトは、自分がもしいなくなった場合でも、妻に思い出してもらえるような文章を残しておこうという意図がほとんどだった。妻にも毎日のようにAIの話をしているが、残念ながら反応は悪い。そのうち世の中の理解が進めば(あるいは彼女が大ファンのBTSのメンバーが話し始めれば?)気になってくるだろうし、まだ自分が先にいなくなってしまう可能性の方が高いので、やはりここに残しておくべきなんだろう。
今日は2023年の6月27日。来年はどんな世界になっているのか、まったく想像がつかない。今までこんな不透明な時代があったのだろうか。速度があまりに速い。毎週、毎日レベルで何か新しい技術・発表が出ているような気がする。この過程であまりに多くのことが起こってしまえば、自分という存在の中でも、その過程を把握しておくのが難しいだろう。やはり、できるだけここに残していければと思う。



