ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

映画

映画『共犯者たち』

まだ記憶に新しい朴槿恵退陣とろうそく革命。先日の知床観光船の沈没でセウォル号沈没のときの記憶を揺さぶられた人も多いだろう。その後の文在寅政権も終わり、つい先日新しい大統領として尹錫悦氏が就任した。左派政権からまた保守政権へと戻ったわけだ。 …

海外ドラマ『チェルノブイリ ーCHERNOBYLー』

チェルノブイリ原子力発電所の事故を扱った実話ベースの海外ドラマ。全5回で合計5時間程度と短いが、扱っているテーマがテーマだけに重厚で、見終わった今もなんだか気分は落ち込んでいる。 warnerbros.co.jp 未だに収束が見えないロシアのウクライナ侵攻で…

韓国映画『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』

韓国(朝鮮民族)の詩人、尹東柱の生涯を描いた韓国の伝記映画。2015年製作。カン・ハヌル、パク・チョンミン出演。 尹東柱の詩集を数年前に手に入れ、何度か手に取って読んではいるが、やはりまだ詩は慣れないこともあり、まだすべては読んでいない。しかし…

映画『おかしな奴』|天才落語家・三遊亭歌笑の伝記映画

1963年製作。主演渥美清。三田佳子、南田洋子、田中邦衛出演。 敗戦直後の混乱期に、日本を大いに笑わせ、そして流れ星のように世を去っていった落語家、三遊亭歌笑の人生を描いた喜劇映画。喜劇映画とはいえ、戦争の暗い影や、初恋相手の悲しい末路、そして…

映画『遙かなる山の呼び声』

監督山田洋次、主演倍賞千恵子、高倉健。1980年制作。 民子三部作の最後とのことだが、リンクする作品としてはやはり『幸せの黄色いハンカチ』が最初に頭に浮かんだ。特に本作のエンディングを観ると、一瞬『幸せの黄色いハンカチ』の前日譚なのかと疑ってし…

映画『殺人者』マ・ドンソク|サイコパスをどう考えればよいか

これは駄目だ。思い出すことができないよう、できれば見た記憶を消したい。そんな技術が生まれるのをただただ待つのみだが、見てしまったからには、今後何度も思い出すことになりそうだ。久しぶりに見たことを後悔する映画だった。映画作品としては成功と言…

映画『白昼堂々』渥美清・倍賞千恵子主演

『男はつらいよ』でおなじみの渥美清・倍賞千恵子が主演の映画。当初は『男はつらいよ』が始まってからその人気にあやかって作ったような作品だと思っていたが、実際は『男はつらいよ』が始まる前夜、1968年の作品で、時期的には『男はつらいよ』ドラマ版の…

映画『ムーンライト』

第89回アカデミー作品賞を受賞したアメリカ映画。フロリダ州マイアミの貧しい地域で育った少年シャロン。通称リトル。無口で内気な彼は、学校で"faggot"と嘲笑されていた。そんな彼を少年期、思春期、青年期の3つの時代に分けて描いたのが本作。時折見られる…

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

フリーランスのジャーナリストであったガレス・ジョーンズの実話をもとに描かれた伝記的スリラー映画。背景は世界恐慌下の1930年代。英国の元首相ロイド・ジョージの外交顧問を務めていたジョーンズだったが、財政難のためその役職を解かれた。地元に戻り快…

『カメラを止めるな!』|生まれ変わったら次は映画人になるぞ

そういえば観ていなかった『カメラを止めるな!』。2017年公開のインディーズ映画。何の前知識もなく見始めた。最初は「失敗か?」と思いきや、後半はとにかく大爆笑の連続。想定していたホラー映画じゃなかった。最高級のエンターテイメント/コメディ映画だ…

韓国映画『マルモイ ことばあつめ』|祖国とは国語である

日帝の植民地下にあった朝鮮半島で、日本により名前を変えられ、言葉を奪われつつあった人々の闘いを描いた韓国映画。朝鮮語学会事件として知られる事件がベースになっている。 祖国とは国語である こう言ったのはルーマニア出身の思想家シオランだが、自分…

韓国のサイコサスペンス映画『死体が消えた夜』

韓国のサイコサスペンス映画『死体が消えた夜』。主演は『殺人の追憶』でも有名なキム・サンギョン。 若い学生との不倫の果てに、完全犯罪となるはずの方法で妻を殺めた大学教授。しかし、ある日その妻の死体が盗まれてしまう。誰が死体を盗んだのか。妻は生…

韓国映画『女は冷たい嘘をつく』|痛い思いをするのはいつも貧乏人だ

韓国社会の暗部を描いた失踪ミステリー(?)。男性中心で、かつ外国人に対して排外的な社会。韓国でも大きな問題だが、日本にもほぼそのまま通じるテーマ(そしてなかなか改善されないのも共通している)。 痛い思いをするのはいつも貧乏人だ。やりきれない…

マ・ドンソク主演『悪人伝』|3つの狂気が入り乱れる韓国のバイオレンスアクション

マ・ドンソク主演のバイオレンスアクション。ノワール映画のようでもあり、ほっとさせるコメディ要素もあり、思いのほか楽しめた。刑事vsヤクザ、刑事vs殺人鬼というのはよくあるが、この3者が交差するというのは結構珍しい。とはいえ、それほどプロットも込…

山田洋次のロードムービー『家族』|「古き良き」日本の姿と、そこで前を向いて一生懸命生きる人々

長崎の伊王島に住む一家族。島での暮らしを捨て、北海道の開拓村での新しい生活を目指す。「古き良き」日本をじっくりと堪能できるロードムービー。期待、失望、混乱、喪失、疲労、怒り。和解の後に再び訪れる喪失。しかし冬も永遠には続かない。春が訪れ、…

『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影』|変化が必要だ。でもどうやって?

ドキュメンタリー『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影』。SNSや現代のデジタルテクノロジーによる弊害を告発したドキュメンタリー映画。 「告発」しているのはこの問題についてはインサイダーとも言える、テック業界出身者たち。GAFA出身の、それも…

『Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業』|責任のある漁業とは?魚食を続けるべきか否か

近所の本屋に行ってみれば少なくとも1冊は見つかるであろう「サステイナブル」関連本。気候変動、人口増加などの対抗策の1つとして近年大きく崇められ、一種の流行となっている。 このドキュメンタリー映画では漁業におけるサステイナブル、そして世界的に隠…

SF映画『エリジウム』

先日観た映画版『21世紀の資本』で紹介されていた作品『エリジウム』。 2154年。大気汚染や人口爆発によって荒廃した地球。超裕福層は荒れた地球を逃れ、衛星軌道上に建設したスペースコロニーに移住した。 ディストピア的な近未来を描いた本作。SF作品では…

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』

政治家小川淳也を追ったドキュメンタリー映画。自分は、政治についてどちらかというと無知な方であるが、小川淳也氏については、今年の夏頃、何かの記事で目にして気になったか、そのへんの詳しい経緯は忘れてしまったが、興味を覚えて『本当に君は総理大臣…

韓国映画『記憶の夜』

Netflixで公開されている韓国映画『記憶の夜』。 ヒントをチラ見させながらも、後半はまったく予想がつかない展開を見せる。このようなローラーコースター的展開は、もはや韓国映画ならではと言えるのかもしれない。何が現実で何がそうでないか観客もわから…

『幸福の黄色いハンカチ』

『男はつらいよ』で山田洋次作品が好きになったこともあって、いまさらながら『幸福の黄色いハンカチ』を観た。いやはや、いいじゃない。高倉健がまさに高倉健という感じ。桃井かおりは、いわゆる桃井かおりを少し抑えたような演技で、これも非常によかった…

映画『21世紀の資本』|(僕みたいに)書籍版に挫折したあなたに

トマ・ピケティ『21世紀の資本』を基にしたドキュメンタリー作品。トマ・ピケティ本人が監修、出演となっている。ほかにも、ポール・メイソン、スティグリッツ、フランシス・フクヤマなど、自分ですら名前を知っているような人も出ていた。 書籍の『21世紀の…

映画『マルクス・エンゲルス』

カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの出会いから『共産党宣言』の執筆までを描いた本作。ヨーロッパ各地を移動しながら活躍する2人。マルクスの強烈な批判的精神。そしてエンゲルスの革命に対する意欲が印象的だった。終盤近くのエンゲルスによるス…

映画『最初の人間』|カミュの自伝的映画

アルベール・カミュの自伝的小説であり、未完の遺作となった『最初の人間』の映画版。 年老いた母を訪ねて故郷であるアルジェリアを訪問した小説家コルムリ氏(カミュ)。幼少時代を思い返しながら、アルジェリアの地を歩く。アルジェリアは内戦状態が続く混…

映画『ワンドゥギ』|弱者が強く生きられる社会、そして「寛容」とは

いい映画だ。キム・ユンソク主演の割には、とても平和な映画。ほっこりとするホームドラマと言えようか。だが今は2021年10月。この映画を観た僕は、怒りに震えている。ウィシュマさんのことを思い、どうしようもない怒りに震えている。 弱者の扱いが酷いのは…

仕事のキャンセル、映画『暗数殺人』、歯医者予約

夕方納期の仕事の仕上げ。問題なく納品。その後ジョギングへ。 今週末から来週後半まで埋まるはずだった仕事の一部が急になくなってしまい、来週のスケジュールがあいてしまった。S社にもそのスケジュールとのブッキングで仕事を断っていたので、N社から追加…

映画『無垢なる証人』:あなたは「いい人」ですか?

ある事件の目撃者となった自閉症の少女と、その容疑者を弁護する人権派弁護士の物語。自閉症という難しいテーマを取り上げながら、かなりリアルな表現に徹し、非常によくできた映画だと思った。ダークサイドへ足を踏み入れるべきか悩む弁護士の葛藤も描かれ…

映画『フード・インク』

アメリカの食品業界の闇を暴いた2008年の映画。ドキュメンタリーとしては少し古い映画だが、まだまだ学ぶところはあった。 安く、大量の食品を生み出すことの弊害、遺伝子組み換え食品、巨大資本の管理下に置かれた農業など、アメリカ食品業界の闇を暴き出し…

映画『青い塩』

ソン・ガンホが主演ということで、間違いないかと思ったが、エンディングがかなり残念だった。 とはいえ、中盤までは割とよくできていた。元カリスマヤクザというありがちな設定に、訳ありの少女という、また映画では違う意味でありがちな設定ではあるが、こ…

映画『ガルヴェストン』:人生はやり直せるのか

アメリカ映画の絶妙な雰囲気作り。モーテルのあの寂れた感じ、危険な感じ。 こういう映画は本当にアメリカはうまいと思う。キャストはどちらかというと地味な方だが、有名人が邪魔にならず映画に没頭できる。まあ映画作りのジレンマなのだろう。 テーマは人…