ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

韓国

映画『共犯者たち』

まだ記憶に新しい朴槿恵退陣とろうそく革命。先日の知床観光船の沈没でセウォル号沈没のときの記憶を揺さぶられた人も多いだろう。その後の文在寅政権も終わり、つい先日新しい大統領として尹錫悦氏が就任した。左派政権からまた保守政権へと戻ったわけだ。 …

韓国映画『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』

韓国(朝鮮民族)の詩人、尹東柱の生涯を描いた韓国の伝記映画。2015年製作。カン・ハヌル、パク・チョンミン出演。 尹東柱の詩集を数年前に手に入れ、何度か手に取って読んではいるが、やはりまだ詩は慣れないこともあり、まだすべては読んでいない。しかし…

『韓国の若者 なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか』安宿緑

朝鮮半島にルーツを持つ著者が韓国の若者の声を聞き、「住みにくい」と言われる韓国の現状を伝えたルポ。コロナ直前頃に取材した内容が主なので、まだ情報の鮮度も高い。短いインタビューが多いが、それでも現在の生の声が聞けるのは貴重だ。テレビで見かけ…

映画『殺人者』マ・ドンソク|サイコパスをどう考えればよいか

これは駄目だ。思い出すことができないよう、できれば見た記憶を消したい。そんな技術が生まれるのをただただ待つのみだが、見てしまったからには、今後何度も思い出すことになりそうだ。久しぶりに見たことを後悔する映画だった。映画作品としては成功と言…

ファン・ジョンウン『ディディの傘』|もし自分にも小説を書けたとしたら

韓国の小説家ファン・ジョンウンによる短編集。「d」「何も言う必要がない」の2作品収録。 「d」 とにかく悲しい話。時代背景はセウォウル号の事故が起きた頃。あの頃の韓国社会というのはなんとも表現できない暗い時代だった。若い命が不条理な形で多数奪わ…

韓国映画『マルモイ ことばあつめ』|祖国とは国語である

日帝の植民地下にあった朝鮮半島で、日本により名前を変えられ、言葉を奪われつつあった人々の闘いを描いた韓国映画。朝鮮語学会事件として知られる事件がベースになっている。 祖国とは国語である こう言ったのはルーマニア出身の思想家シオランだが、自分…

【関東旅】高麗神社参拝

12月の旅の話。 昨年に読んだ金達寿『日本の中の朝鮮文化(1)相模・武蔵・上野・房総ほか』にインスパイアされ、この本で紹介されていた高麗神社へ参拝してきた。 yushinlee.hatenablog.com 場所は埼玉県日高市。都内から中央線で八王子駅へ向かい、八高線…

韓国のサイコサスペンス映画『死体が消えた夜』

韓国のサイコサスペンス映画『死体が消えた夜』。主演は『殺人の追憶』でも有名なキム・サンギョン。 若い学生との不倫の果てに、完全犯罪となるはずの方法で妻を殺めた大学教授。しかし、ある日その妻の死体が盗まれてしまう。誰が死体を盗んだのか。妻は生…

韓国映画『女は冷たい嘘をつく』|痛い思いをするのはいつも貧乏人だ

韓国社会の暗部を描いた失踪ミステリー(?)。男性中心で、かつ外国人に対して排外的な社会。韓国でも大きな問題だが、日本にもほぼそのまま通じるテーマ(そしてなかなか改善されないのも共通している)。 痛い思いをするのはいつも貧乏人だ。やりきれない…

マ・ドンソク主演『悪人伝』|3つの狂気が入り乱れる韓国のバイオレンスアクション

マ・ドンソク主演のバイオレンスアクション。ノワール映画のようでもあり、ほっとさせるコメディ要素もあり、思いのほか楽しめた。刑事vsヤクザ、刑事vs殺人鬼というのはよくあるが、この3者が交差するというのは結構珍しい。とはいえ、それほどプロットも込…

韓国映画『記憶の夜』

Netflixで公開されている韓国映画『記憶の夜』。 ヒントをチラ見させながらも、後半はまったく予想がつかない展開を見せる。このようなローラーコースター的展開は、もはや韓国映画ならではと言えるのかもしれない。何が現実で何がそうでないか観客もわから…

金達寿『日本の中の朝鮮文化(1)相模・武蔵・上野・房総ほか』

日本の地名に隠れている朝鮮文化の面影。そんなことを考え始めたのは数年前、北九州市に旅行に行ったとき。レンタカーに乗って福岡から門司港に向かう途中、唐戸市場という場所に寄った。到着するちょうど手前、信号で止まっていたとき、交差点の標識をぼー…

映画『ワンドゥギ』|弱者が強く生きられる社会、そして「寛容」とは

いい映画だ。キム・ユンソク主演の割には、とても平和な映画。ほっこりとするホームドラマと言えようか。だが今は2021年10月。この映画を観た僕は、怒りに震えている。ウィシュマさんのことを思い、どうしようもない怒りに震えている。 弱者の扱いが酷いのは…

韓国ドラマ『秘密の森』シーズン2

久しぶりにNetflixに再登録した。目当ては韓国ドラマ『秘密の森』。韓国ドラマだが、いわゆる韓流っぽいやつではなく、検察・警察を舞台とするクライムスリラー。恋愛要素もほぼない。 2年ほど前に観たシーズン1が抜群に面白く、シーズン2のウサワを聞いて3…

映画『沈黙、愛』

チェ・ミンシク主演の韓国サスペンス。 チェ・ミンシクには絶対の信頼を置いており、彼が出る映画には外れがないと思っていたが、本作も最高の出来ではないかもしれないが、満足のいく作品だった。 さて、一種の歪んだ親子関係を描いた本作。「金がなければ…

映画『荊棘の秘密』|家族のことをどれだけ知っていますか

韓国映画『荊棘の秘密』をHuluで視聴。 後半は声も出ない。まさに、息をのむ展開。地域社会に染みこむ政治とそれによる対立、家族の不和、若者の冷酷さ、社会的な生き辛さなど、多くの要素が絡み合い、手の込んだストーリーに仕上がっている。それらはあくま…

「韓国 近い昔の旅―植民地時代をたどる」神谷 丹路

神谷 丹路さんの「韓国 近い昔の旅―植民地時代をたどる」を読んだ。これは、韓国に興味のある方に全力でおすすめしたい。残念ながら絶版状態だが、Amazonではまだ中古で手に入る。図書館でも読めるはず。 韓国 近い昔の旅―植民地時代をたどる 作者:神谷 丹路…

【韓国の冬と温泉】牙山のパラダイススパ道高に行ってきた

2020年の初風呂へ、牙山市の道道温泉に行ってきた。 義母は温陽温泉に行くとのことで、温陽温泉駅まで一緒に移動。市バスを逃してしまい、仕方なくタクシー移動。3人だとタクシーもコスパがいい。 温陽温泉はソウルからも電車一本でアクセスがよく、観光客に…

天安からソウルへ3泊4日の旅 最終日

最終日。予定を延長して他の都市に行くことも考えたが、疲れもあり、予定通り帰ることに。 新しい永登浦の東横インは至極快適だった。エレベーター待ちが長かったり、テレビがよく切れてしまうなど、細かい不満はあったものの、総合的には満足点。シングルの…

天安からソウルへ3泊4日の旅 3日目

3日目は博物館鑑賞日。地下鉄で利川駅へ。今日訪れるのは、国立中央博物館。同じ駅からハングル博物館にも行けるようだ。 駅から歩くかなと思ったが、地下通路が整備されていた。寒い冬には特にありがたい。 まず、その規模に驚いた。博物館も大きいが、敷地…

天安からソウルへ3泊4日の旅 2日目

ソウル2日目。午前中はゆっくりして、昼食は数年ぶりのお店、トゥッペギジプ。初めて来たのは2000年代前半。かれこれ15年近く、思い出した頃に来ている。 ここのオススメはウロンテンジャン。日本人観光客の姿も多い。テンジャンチゲは、個人的にはここがベ…

天安からソウルへ3泊4日の旅 初日

今年の仕事もひと段落ついたので、久しぶりにソウルへ。本当は全羅道旅を予定していたが、永登浦に新しくできた東横インがオープンセールしていて、お得にソウルに泊まれそうだったので、急遽変更。セールに弱いのは相変わらず。 天安からソウルに向かうが、…

天安の夜と霧の朝

昨日は夕方頃、滞在先の近くにある天安(チョナン)に到着。仁川ではそうではもないと思ったいた寒さがしみてきた。やはり日が落ち始めると寒い。 久しぶりに歩く天安バスターミナル周辺。天安ではここが中心街となっていて、若者も多い。ソウルで言うところ…

仁川到着

今年最後の韓国。このまま年越ししてしまう予定。2019年は韓国グルメで締めようとやってきた。 それにしても、最近の日韓関係による飛行機価格の下落は驚くばかり。一観光客としてはありがたいので、最大限活用するのみ。今回も福岡から往復で1万程度。この…

韓国「県民性」の旅

『韓国「県民性」の旅』は、韓国の道民性(韓国では日本の「県」に該当する区分を「道」と呼んでいる)を探る、面白い一冊。毎晩Kindleでこれを読むのが楽しみだった。読み終わって寂しい気持ちになりながらこれを書いている。 本書の説明にはこうある。 慶…