ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

韓国映画『記憶の夜』

Netflixで公開されている韓国映画『記憶の夜』。

ヒントをチラ見させながらも、後半はまったく予想がつかない展開を見せる。このようなローラーコースター的展開は、もはや韓国映画ならではと言えるのかもしれない。何が現実で何がそうでないか観客もわからなくなる。

韓国の社会はここ数十年で壮絶な経験をしている。多くの映画ではそういった社会背景がうまく使われていて、この作品もその一つと言えるかもしれない。IMFは僕が大学生の頃だった。あの頃、アメリカの英語学校で知り合った韓国人の留学生仲間は、アメリカで一生懸命勉強し、自分たちが韓国に戻って経済を立て直すと、当時の僕からすると驚くほどくさいセリフを吐いていた。同時に、それほど自国に対する愛情をおおっぴらに表明できるのを、どこか羨ましくも思ったものだ。考えてみれば、彼らはあの時代に韓国からアメリカに来ることができていたわけだし、経済的には裕福な層だったはず。そうではないほとんどの人々は相当苦しめられていたし、実際に多くの人々が路頭に迷ったことだろう。これもまた非常に韓国的な物語である。

しかし、現在経済的な格差は世界中で広がる一方のようだ。この映画で描かれている、世の中に潜む理不尽さのようなもの。それにはきっと一定の普遍性があるはずだ。

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