映画『沈黙、愛』
チェ・ミンシク主演の韓国サスペンス。
チェ・ミンシクには絶対の信頼を置いており、彼が出る映画には外れがないと思っていたが、本作も最高の出来ではないかもしれないが、満足のいく作品だった。
さて、一種の歪んだ親子関係を描いた本作。「金がなければ家族も、恋人も逃げていく」と語る金持ちパパ。悪いことをたくさんしたのだろう。何度も買収することで自分を助けてきた。新しいフィアンセに対する愛情は一見本物のように見えるが、すべては金の上で成り立つと信じてる彼だ。やはりどこかに矛盾を抱えているようにも見える。前妻との間に生まれた娘との関係性も、語る者によってはその愛情がどういうものなのか、見えてこない。そして娘とも仲のよい、正義感にあふれる弁護士を雇った理由は?この辺はすべてトリックに組み込まれているので、あまり語るまい。
さて、エンディングをどう見るか。それは愛情なのかと思う視聴者も多かっただろう。ゆがんでいるとはいえ、あくまで愛情なのかもしれない。あの登場人物があのようになったのは、見方を変えれば当然の報いでもあったとも思える。あの涙のシーンをみるところ、それにも多少なりとも意味があったのではないか。
それにしても、裕福層の金の力よ。金だー、金、金っ!