ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

韓国「県民性」の旅

『韓国「県民性」の旅』は、韓国の道民性(韓国では日本の「県」に該当する区分を「道」と呼んでいる)を探る、面白い一冊。毎晩Kindleでこれを読むのが楽しみだった。読み終わって寂しい気持ちになりながらこれを書いている。

本書の説明にはこうある。

慶尚道=権力志向、全羅道=狡猾といった韓国の道民性(=県民性)を意識しながら韓国全土を歩き、出会った人々やその土地が生んだ著名人の逸話などから、現在の韓国人気質を探る。

北朝鮮もどうような区分けがなされており、というか、本来一つの国なので、あたりまえのように「道」の地域分けがなされている。今年は、韓国の北東にある江原道というエリアに行ってきたが、この江原道は北朝鮮側にもあるとは知らなかった。

個人的にある程度なじみがあったのは、釜山が属する慶尚道。映画『チング』などでも楽しめる、特長のある方言も個人的には好きだ。

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 あとは、食の都とされる全羅道。ビビンバの全州。光州も食べ物が美味しいらしい。全州は数年前、光州はまだ通り過ぎただけ。まだまだ行くところはある。

本書では、各地域の名産物や有名人などもまとめて表示されているので、旅行前に頭にたたき込んでおくと、現地での観光も捗る(気がする)。とにかく、非常に丁寧な作りだ。昨今、日本の本屋にはヘイト本がずらりと並んでいていやになるが、こういうしっかりとした隣国に関する本もあることを世の中に知ってもらいたい。 

著者の鄭 銀淑さんは、韓国生まれの韓国人だが、日本での生活が長くて日本語で基本活動されているようだ。人情食堂シリーズなど、町歩きを楽しみながら、現地人と混ざり、それを旅行記にするというフォーマットがしっくりする。

今回はたまたまKiindle Unlimitedに登録されていたのでラッキーだった。とはいえ、今後も辞書的に使えそうなので、一冊は手元にあってもよいかも。

韓国「県民性」の旅

韓国「県民性」の旅