ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

2019年12月長崎一人旅(長崎原爆資料館〜トルコライス)

今回の長崎旅で最大の目的地だったのは長崎原爆資料館。少し前にローマ法王も長崎に訪問していた。

館内では黙々と観覧。社会見学だと思うが、小学低学年くらいの団体が押し寄せていた。館内中で平和教育を行うガイドの声を聞きながら、ゆっくりと回った。

原爆投下までの経緯から、原子爆弾の仕組み、被爆者が残した衣服、当時の写真やビデオ、戦後の核開発の様子まで、様々な角度から学べるほか、それぞれも十分詳しく、そして生々しい描写もしっかりと展示していた。控えめに言っても、堂々たる展示内容だと思う。

一番記憶に残ったのは、後半にあった被爆者インタビューの動画。珍しかったのは、外国人被爆者のインタビューが見れたこと。朝鮮人被爆者が半分くらい、残りはオーストラリア人のPOW(戦争捕虜)の方々。どちらも強制労働についているときに被爆したのがほとんど。

驚いたのが、オーストラリア人の被爆者のほとんどが原子爆弾肯定派だったこと。原爆のおかげで第二次世界大戦が早期終結でき、結果として多数の命を救ったという。これについては、実際に体験していない後の世代の人間がとやかく言えるものではないが、このような発言や意見もしっかりと残しているのは、長崎原爆資料館の素晴らしい姿勢だと感じた。直接の被爆者が肯定的な発言をするというのは、やはり強烈だ。

朝鮮人被爆者の方も、戦後韓国に戻ったが、十分な補償を受けることが出来ず、相当な苦労をされているようだ。これは日本の被爆者も同様のことが言えるだろうが、自国民でもなく、強制労働下にありながらの被爆というのは、さらにもう一層の悲劇だろう。

ちなみに、先日長崎に訪れたローマ法王。実際にこちらの資料館に訪れる時間はなかったようだが、直筆のメッセージを残していたようで、それはすでに展示されていた。

平和を祈るローマ法王の言葉。だが、やはり直接の被爆者の声と比べると、弱々しく感じてしまった。

朝の比較的早い時間から見ていたが、少しペースを上げて観覧したものの、とっくに昼ご飯の時間は過ぎていた。平和公園周辺にはめぼしいレストランが見つからなかったので、路面電車に向かって中心部へ移動。

ランチに食べたいと思っていたトルコライスを食べに、「ツル茶ん」というレストランへ。雰囲気としては喫茶店に近い。昼の時間を過ぎていたが、中にはまだお客さんが結構いた。やはり人気店のようだ。

で、待望のトルコライスはというと。。見たとおりのお味。どれも味が濃く、たしかに懐かしい感じもしないでもないが、若干食傷気味な気も。もちろんまずいという訳ではなく、体調によってはもっと美味く感じたかもしれない。原爆に思いをはせ、心と体が弱っているときに食べるものではなかったのか。。何事も、タイミングというのは重要だ。

そして、店を出たときに気付いたのだが、このレストランの場所は孫文先生ゆかりの地とあった。日本とゆかりのある方だとは知っていたが、長崎にもよく来ていたのか。なんだが、また台湾に行きたくなった。旅の道中で、こういう場所をふと見つけると、また想像が広がり楽しい。旅の醍醐味だろう。トルコライスは必ずしも当たりではなかったが、トータルでは正解だった。

(続く)