ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

韓国映画『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』

韓国(朝鮮民族)の詩人、尹東柱の生涯を描いた韓国の伝記映画。2015年製作。カン・ハヌル、パク・チョンミン出演。

尹東柱の詩集を数年前に手に入れ、何度か手に取って読んではいるが、やはりまだ詩は慣れないこともあり、まだすべては読んでいない。しかし、比較的平易な表現で、また当時の彼の状況を想像しながら読むと、相当堪える。日本人としてなのか、一人の人間としてなのか。恐らくその両方だろうか。

尹東柱の生涯についてはWikipediaしか読んでいなく、彼の生涯を扱った映画があると聞いてずっと観たいと思っていた。残念ながら近所のレンタルストアでは扱いがなく、配信サービスでもあまり取り扱いがなかったが、やっと先日見つけた。ありがとう、U-next。

尹東柱がどれほど抗日活動をしていたのかはよくわからない。おそらく関与したレベルは、この映画で描かれていたものに近いのだろう。強い反感を持ちながらも、本当の活動家にならなかったのだろう。それはきっと、彼には詩があったからだろう。詩人を自覚しながら、あのような時代にどのように生きるべきなのか。とても真摯な立場だったと思う。そう、真摯という表現が似合う。

映画の中で、従兄弟であり親友の宋夢奎が尹東柱の活動参加を妨げるようなシーンがあった。史実なのかわからないが、そう想像したくなる気持ちもわかる。恐らく、夢奎は自分の良心のようなもの、あるいはあるべき人間の姿を、東柱に託したのではないか。そう考えれば、やはり尹東柱が詩人であったことに大きな意味があったことがわかる。

 

空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜