ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

天安からソウルへ3泊4日の旅 3日目

3日目は博物館鑑賞日。地下鉄で利川駅へ。今日訪れるのは、国立中央博物館。同じ駅からハングル博物館にも行けるようだ。

駅から歩くかなと思ったが、地下通路が整備されていた。寒い冬には特にありがたい。

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まず、その規模に驚いた。博物館も大きいが、敷地も広く、野外展示も。
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韓国や、中国などでもたまに感じる、少し目眩すら感じるほどの規模感。
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しかも基本入場料は無料。建設・運営資金はどこから出ているのだろう。税金なのか。どこかが多額の寄付をしているのか。この辺のお金の使い方にはいつも感服する。
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現在、伽耶の特別展も開催中。しかも、年末の3日間は無料開放していて、これまたいいタイミングだった。
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まずは常時展示から。今回は古代史を押さえたかったので、石器時代から百済伽耶新羅高句麗までを見てから、特別展の伽耶へ進む。
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昼食までは写真も撮らず静かに観覧。家族連れが多く、各所で両親が熱心に子供に説明している。日本より教育熱心な印象。ただ、子供はやはり大半が退屈そう。歴史はつまらないものと刷り込まれ、勉強嫌いになってしまうのではないかと、いらない心配をしてしまった。
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昼食後は時間がちょうどいい日本語の無料ツアーがあったので、それに参加。行ってみたら参加者はうちだけで、贅沢にもプライベートツアーとなった。

ガイドさんは日本の文化にも造詣が深く、とても楽しいツアーだった。日本にもよくいらっしゃるようで、研究グループのツアーで日本や中国を回ることもあるとか。特に陶器や仏像がお好きな印象。仏像の説明には特に熱がこもっていた。日本との関連についてもバランスのよい説明で、学びの深い素晴らしい1時間だった。

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韓国の古代史も最近学び始めたばかりだが、それでも多少は知っていることが伝わると、それも非常に喜んでくれて、これも嬉しかった。
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驚いたのは、この塔。元に統治されていたときの影響で、高麗の文化にモンゴルの様式が積み上げられている。韓半島的な石塔ではなく、大理石の塔。少し前に見たタプコル公園の塔を思い出す。年代としてはこちらがさらに古い。

さらに衝撃だったのが、ここに保存されるまでの経緯。元は確か平壌付近にあったものを、ある日本人が日本に不正輸出したと。海外からの非難もあったことで、10数年後にまた韓国に返却された。日本に持ち出される際に分解されてしまったので、それのダメージも大きかったという。その後はキョンボックンで保管され、十年ほど前に今ある中央博物館に移管された。
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古代史という背景では、倭と百済の関係性など、比較的ポジティブな側面も多いのだが、ここにも近現代の影が。
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続いて伽耶の特別展示へ。
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伽耶は鉄の技術に優れていたといわれる。百済と同様に、日本とのつながりも深かったが、それも鉄を求めてのこと。優れた技術があれば、まわりも放っておかない。
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美しい展示内容だったが、残念ながら日本語の説明が少なかった。疲れもあって、またガイドさんとの時間に満足していたこともあり、早めに切り上げ。九州国立博物館にも巡回するはずなので、日本でじっくり見ることに。
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楽しい夕食は、またもや冷麺。ソウルで最高峰と呼ばれるウルミルテ。5時30分ごろ入店したが、すぐ満席に。

水冷麺と緑豆ジョンを注文。

ジョンは外がカリカリに仕上がっていて、中にも肉がたくさん入っていて美味い。マッコリが合いそう。
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そして冷麺。噂通りの薄味。思った以上に薄い。ただ、出汁はしっかり出ている。ここから酢やマスタードで好みに合わせて味を整えていく。スープ自体を飲んで楽しみたい場合は、あまり濃い目にしない方がいいかも。

麺は若干表面にざらつきも感じ、日本の蕎麦に近い食感。歯切れも良い。
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これは、恐らく昔ながらの味に近いという部類かな。冷麺好きで有名なLGの会長がお気に入りだった店だと思うが、たぶんそういう意味だろう。外国人の僕なんかは、比較的味が強めの冷麺を食べてきたので、味覚が育っていないのか、ここのはそれほど合わなかった。

平壌冷麺といっても本当に多様だ。