ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

カミュ死後60年となる2020年はカミュ全集を読む

先日の1月4日はアルベール・カミュの命日だったが、今年の2020年で60周年となる。50周年だった2010年は、フランスのメディア等で広く取り上げられたらしいが、今年はどうなのだろうか。

フランスのテレビ局だと思うが、特集番組を組むなど、やはり少し動きがあるようだ。これから徐々に盛り上がっていくのだろうか。


Looking back at the legacy of Albert Camus, 60 years after his death

https://www.france24.com/en/20200104-looking-back-at-the-legacy-of-albert-camus-60-years-after-his-death

実は昨年に、1年近く迷ったあげく、新潮社のカミュ全集を入手した。

カミュに関しては、異邦人、ペスト、転落など文庫になっている小説のいくつかは読んでいるが、ほかは入手困難な作品も多い。そこで全集を調べると、なんとか読めそうなボリュームだったことが判明。いつかは誰かの全集を読破したいと思っていたので、大好きなカミュで挑戦しようと考えていた。それでも本当に読めるか自信がなかったので、なんだか1年ぐらいゆったりと悩んでいた。

そんな悩ましいある日、Amazonで「カミュの手帖」という本を見つけた。カミュの日記の3作品がすべてまとめられているという。最初の2巻は新潮文庫で発売されていたが、どちらも長らく絶版で、中古価格も高騰。これはその2作と、未発売だった最後の1作が追加された「完全版」。図書館で内容を確認したら、とても面白そうだったので、すぐ注文。

カミュの手帖 1935‐1959

カミュの手帖 1935‐1959

 

これを入手できたことでカミュ熱が再燃。しばらく悩んでいた全集も続けてオークションでまとめて購入。こちらも予想以上に安く入手できて運がよかった。

今年の2020年はカミュがあの不幸な交通事故(KGBによる暗殺だったという説もあるそうな)で亡くなってから60年という区切りの年で、タイミング的にもよいだろうと思い、2020年はカミュ全集を読む年としたい。

さらに補助用の副読本として、三野博司さんの「カミュを読む」も用意した。三野博司さんというと、異邦人の解説本「カミュ『異邦人』を読む:その謎と魅力」は読了済み。異邦人の世界が色鮮やかに広がる素晴らしい本だったので、こちらも楽しみ。

カミュを読む: 評伝と全作品

カミュを読む: 評伝と全作品

  • 作者:三野博司
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 2016/06/03
  • メディア: 単行本
 
カミュ『異邦人』を読む: その謎と魅力

カミュ『異邦人』を読む: その謎と魅力

 

現在は第一巻から読んでいる。三野テキストを併読しながら「表と裏」に入ったが、これは思っていたよりも楽しい。冒険に出るような気分だ。