ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

元総理の銃撃と不穏な日々

安部元首相が銃撃され亡くなってから3日。やっと気持ちも落ち着いてきた。

政治的にはまったく気に入らない人物で、ことあるごとに彼の政策や言動に反発していた。しかし、まさかあのような形で最期を迎えるとは。

最初は当然政治的な意図を持ったテロの一種だと思った。ほとんどの人がそう感じたはずだ。しかし、蓋を開けてみれば、非常に私的な怨恨からの犯罪だった。安部さんと統一教会の黒いつながりは前から知ってはいた。当然それは政治的な理由での関係性だったことから、政治がまったく関わらないわけではない。しかし、自民党統一教会の関係というのは、安部さん個人というわけではなく(ほかの自民党の政治家と比べてもかなり濃い関係だったとはいえ)、あくまで自民党の歴史の中で生まれた関係性だっただろう。統一教会に対する恨みでまさか銃撃されるとは、とばっちりとは言い切れないものの、非常に残念な終わり方であった。

物心がついて以来40数年、これまでいろんな事件・事故を見てきたが、日本での出来事としては、天災を除くと、恐らく人生でもっとも衝撃をうけた事件だったろう。今後これを超える事件が起こるのだろうか。

手製の銃による元総理の銃撃。やはりいまだにしっくりこない。日本でまさかこんなことが、と感じた人も多かろうが、一方で「手製の」というところに妙に日本らしいと感じている。これは自分のどの記憶に由来する感情なのかわからない。なんとかくオウム真理教を思い浮かべるのだが、それだけでもない気もする。

どれだけ気に入らない人物であっても、やはりこういう形で命を失ってしまったのはやるせない気分になってしまう。彼のこれまでの悪事も追及するのもさらに難しくなるだろう。参院選も制した自民党だが、今後どうなるのだろう。

疫病。戦争。そして政治家の暗殺。まだ上半期が終わったばかりだが、とにかく暗い一年だ。いや2020年以来ずっとこうか。これに災害でも追加されてしまわないだろうか。なんだか、なんとも言えないこの不穏な空気。不安で仕方がない。