ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

映画『21世紀の資本』|(僕みたいに)書籍版に挫折したあなたに

トマ・ピケティ『21世紀の資本』を基にしたドキュメンタリー作品。トマ・ピケティ本人が監修、出演となっている。ほかにも、ポール・メイソン、スティグリッツフランシス・フクヤマなど、自分ですら名前を知っているような人も出ていた。

書籍の『21世紀の資本』を読み始めてはや数か月、途中1/3で止まってしまっており、読んだ部分の内容の頭から消えかかっていた。そういえば映画版があったことを思い出し、それを観ればもう一度最初から読みたいと思うのではと、まあ浅はかな考えで見始めた作品。

観てみると、内容はざっくりではあるがほぼ頭に入っていた内容。そういえば、『21世紀の資本』でも「はじめに」の章で全体の概説があったので、そこの内容を覚えていたのかもしれない。それに、そもそも『21世紀の資本』は他の書籍であまりにも引用されているから基礎知識として読もうと思ったという背景もあって、おそらく他の書籍で紹介されていた内容が繰り返し脳内に刻まれていたのだろう。

細かいデータはともかく、全体像は頭に入っていたということで、すぐには読み直さなくてもいいかもしれない!という結論に。このテーマで積んでいる本があまりにもあるので、またそのうち戻るかもしれないが。

ピケティの面白いところは、ポピュラーカルチャーを多く取り上げていることだろう。この映画でも多くの映画が取り上げられていて、これはたぶん映画視聴者に合わせての内容だろう。『エリジウム』という映画は、マット・デイモン主演なのに不思議なことにまったく知らなかったので、これは今度観ておこうと思う。

映画『ウォール街』のキャラクターが熱弁した「貪欲はよいものだ」(Greed is good)という言葉が儲け追求の免罪符となったという話があったが、日本でも「金儲けは悪いことか」「金儲けの何が悪い」と叫んでいた輩がいたなあと思い出した。自分の頭の中ではホリエモンだったが、Googleによると村上ファンドの社長の言葉だったようだ。個人的にも、あの時代から世の中の空気が少し変わった気がしていて、その空気感が現在まで続いているような印象はあったので、この辺の共通点が見えたのは面白かった。

21世紀の資本

21世紀の資本

  • トマ・ピケティ
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