ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

映画『マルクス・エンゲルス』

カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスの出会いから『共産党宣言』の執筆までを描いた本作。ヨーロッパ各地を移動しながら活躍する2人。マルクスの強烈な批判的精神。そしてエンゲルスの革命に対する意欲が印象的だった。終盤近くのエンゲルスによるスピーチは感動的ながら、やはり現代からみると恐怖を感じる。そしてエンディングで流れるボブ・ディランの「Like a Rolling Stone」。

マルクスエンゲルスも何も知らない状態で観たから非常に新鮮な物語だった。二人とも結婚して、マルクスが以外にも家族人としても一面もあった。自身は資本家の家に生まれ、労働者階級の女工と一緒になったエンゲルスと、貧困の中で生活しながら、貴族出身の女性と結婚したマルクス。鏡のような関係性で面白い。

もし自分がこの時代、この周辺で生まれ育っていたらどう感じていただろうか。共産主義革命の危険性は今だからわかることで、この時代ならやはり熱狂していたのではないかと思う。しかし、それを思うと、少し後の時代とは言え、革命の暴力性に気付いて、それに反対していたカミュのすごさを改めて感じた。

しかし、なんと激動の人生だろうか。この後、エンゲルスはよく知らないが、マルクスは貧困の中、『資本論』に一生を捧げることになる。その後の共産革命の礎となるわけだ。実際はどんな人物だったのだろうか。今後『資本論』を読むかどうかわからないが、それでも最近人気が再熱しているマルクスマルクス論のような本もチラホラ見掛けるので、そのあたりを少し読んでみようかという気にはなった。

マルクス・エンゲルス(字幕版)