ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

『THE WIRE/ザ・ワイヤー』シーズン2を観た

HBOの犯罪ドラマシリーズ『The Wire』のシーズン2。

衝撃を受けたシーズン1を観てからたぶん1年以上は経ってしまったが、数日前に見始めたら止まらなくなって、今日も夕方に仕事が終わってからずっと観ていて、今最終エピソードを見終わったばかり。もう夜中の2時ですよ。

さて、今回のシーズン2。シーズン1の衝撃と比べると少しインパクトは弱まった気はするが、前回同様リアリティを追求した内容は素晴らしい。冒頭に毎回そのエピソードからの「名言」が出たり、例の刑事同士の掛け合いがあったり、そして全体を通して感じられる、あの頃の雰囲気。スマートフォンが登場する前のあの頃。画面全体の色合い、匂いすら感じられそう。そしてそこら中にちりばめられた比喩。比喩。比喩。すべてが素晴らしい。

前シーズンのキャラクターも数多く登場。その後の描写もあっさりと終わってしまったキャラクターもいるが、今後のシーズンで出てくるのだろうか。

今回は舞台が少し変わり、ボルティモア埠頭の労働組合が中心。前回同様の麻薬戦争も少し関わるが、今回は変化する時代の中で悪戦苦闘(当然悪いことにも手を染めながら)する労働者の姿が印象的だった。ゴミのような奴らでも、生まれ育った環境や生活がしっかりと丁寧に描写されるので、共感が持ててしまう。読書体験に近いだけでなく、その辺の適当な小説よりも濃い。

2003年制作ということで、当時の時代風景も懐かしい。当時のテクノロジーもなんだか今観ると微笑ましい。アメリカでもテキストメッセージが始まった頃だったのか、PDA(もうこの言葉も死語か)もまだ最新ガジェットだった時代。本作はタイトル通り盗聴がテーマだが、今回はGPS追跡も登場。日本ではもうGPS携帯が出ていた頃だと思うが、やはり当時は日本の方が一足先を行っていた印象はある。

さて、何よりもリアリティが追求されるのが本ドラマなのだが、今回は少しリアリティに欠けるびっくりキャラクター(そう、あの蝶ネクタイの最強キャラ)が最後のあたりで登場する。あいつは何なんだろう。リアリティという点では残念な気もするのだが、あれもあくまでリアリズムの追求なのか。現実は小説よりも奇なりというが、であればあんな奴がいてもおかしくないのか。あいつだけはなんだか冷めてしまった。

それを引いたとしても、やはり最高。明日から早速シーズン3を観るぞ。

だがその前にいいかげん寝よう。明日も仕事だ。

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