カミュ全集1:アストゥリアスの反乱・裏と表・結婚
カミュの文学活動開始初期(1932〜1939年)の作品や論文、断片草稿が収録されている。年齢にすると19〜26歳となる。
最初に掲載されている論文は読むのが大変だった(正直なところかなり読み飛ばした)が、そのほかは興味深く読んだ。特に「裏と表」と「結婚」はこの時期の重要な作品で、文庫化されていてもいいと思う。英語ではこれらが収録されているエッセイも販売されている。
Lyrical and Critical Essays (Vintage International) (English Edition)
- 作者:Albert Camus
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2012/10/31
- メディア: Kindle版
最後には「地中海文化」圏の建設に関するスピーチもあったが、カミュの今後の政治活動(があったのか詳しくは知らないが)のきっかけとなるのだろうか。今後読み進める上で意味合いを持ってきそうな気もした。
巻末には「解題」として簡単な解説が付いていたが、やはり三野博司「カミュを読む」が読み進めるのに役に立った。
というわけで、2020年の最初の1か月でなんとか1冊読了できた。全10巻なので、このペースならなんとか年内読了も可能か。
次はそのまま第2巻に進めべきか、文庫で発売されている「幸福な死」(三野先生のテキストでは「結婚」と第2巻の最初にある「異邦人」の間に紹介されている)に取り組むべきか。少し悩ましい。