ハト場日記

Working, Reading, and Wondering

読書メモ:「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」松久 淳

今回、韓国までの移動中に読んでいた本。比較的短めのエッセイで、寝るまでに読み終えることができた。

何よりもタイトルに惹かれた。「走る奴なんて馬鹿」とは、まさに自分が数年前まで言っていたことではないか。今はホビーランナーとして、ランニング(自分の場合はジョギングに近い)の素晴らしさを機会がある毎に言って回っている(実際はほとんど友達がいないので、その相手が家族ぐらいであるのは内緒)。

走ると言えば、昔から悪いイメージだけだった。思えば、新入社員で入社した某IT企業。マラソン好きの部長殿に誘われて(類語は「業務命令」)、グループ社員で走る駅伝チームに登録されたこともあった。最初こそ「N君、これは参加することに意味があるんだ。順位とか気にしなくてもいいぞ」と言っていた部長殿。僕なりに死ぬ気で走った結果、数名に抜かれ、個人的な記録としては惨敗。そんな僕を慰めて、元気づけてくれると思いきや、「お前こんなに遅かったのか。がっかりだ」と言い切った部長殿。やはり「走る奴なんて糞だ」と思いを強めた。

そんな自分が今では立派なランナーを名乗っているので、こんなタイトルの本を無視できるはずもない。

著者は有名な小説家のようで、数名著名人のお知り合いも数名登場。健康のために走り始め、気付いたらはまっていたという経緯は自分と全く一緒。著者ほど健康的にギリギリでもなかったし、年齢的に少し(本当に若干だが)早めに始められたので、比較すると自分は若干恵まれているとも考えられる。元気も出た。

しかし、この人は走るペースも速い。マラソンサブフォー狙えるほどのペースで、普段の距離も自分よりも長め。自分はというと、だいたい7分を切る位の亀ペースで、日光とラジオ(ときに音楽、ときにPodcast)を楽しみながら10km程度を気持ちよく走っている程度。この方は5分台で、普段も倍近く走っている。そして、健康的と思いきや、いつも朝まで飲んでいる。共感できる部分も多かったが、どうも自分を投影できるロールモデルでもないのかもしれない。だから、爆笑しながら読めたんだろう。

走る奴なんて馬鹿だと思ってた

走る奴なんて馬鹿だと思ってた

  • 作者:松久 淳
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2019/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)